この手をぎゅっと、離さないでね?
洋くん、私が作ったサンドイッチのお弁当を美味しいってたくさん食べてくれたことがあったもんね。
洋くんがサンドイッチを頬張っている顔を思い出していると、静かだった店内がいきなり騒がしくなった。
「洋ーっ!なにやってんのもしかしてデート!?」
お客さんは私と洋くんのだけだった店内に、眩い金髪のギャルが入ってきた。
窓ガラス越しに、誰かに見られているような気がしてたけど気のせいなんかじゃなかったのね。
金髪をくるくるに巻いているあの子、どこかで見たことがあると思ったら。
今朝私に、洋と付き合ってるの?って聞いてきたあの子だ。
「うわ、なんだよ詩織か。相変わらず声がでけぇんだよ、ビビるわ」