この手をぎゅっと、離さないでね?
「そうかぁ?」
「あれ、もしかして自覚ないの?」
あまりに鈍感すぎない?
女の子たちから注がれている熱視線に、気付いてないっていうの?
「俺はずっとあかりのことしか考えてねぇもん。周りのことなんかどうでもいいわ」
「わ……私のことしか…?」
「そそ。だから他の女なんか目に入らねぇわ」
どくん、と飛びあがるように胸が鼓動する。
「って……恥ずかしいこと言わせんなよなっ!」
そう言って私からふいっと顔を背けた洋くんの頬は、ほんのりと赤らんでいた。