この手をぎゅっと、離さないでね?
なんかムカつく…。
バカだとかアホだとか、幼稚な言い合いをはじめた洋くんとはるちゃんにぷいっと背中をむけた私は自分の席に戻った。
むむむむ…。
洋くんの彼女は私なのにぃっ!
これじゃあまるで、はるちゃんが洋くんの彼女みたいじゃんかっ!
「なんか……宇月さん、今日はご機嫌ななめ?」
「そんなことない!」
机に伏せていた顔をあげると、左となりの席の追野蒼(おいのあおい)くんと目が合った。