この手をぎゅっと、離さないでね?



「おい、洋。帰りボウリング行かね?タケが1ゲーム無料券あるってよ」

「マジ?んじゃあ行こうかなー」



2時間目の数学の授業中。

いちばん後ろの席が並んで2つあいてるからって、洋くんと荒井くんはおしゃべりばかり。



「仙崎くん、荒井くん、私語はやめなさい!」



なんて…先生が注意することかれこれ5回目。



「じゃあ負けたやつが全額奢るっつーことにしようぜ、ノリ」

「はぁ?お前それずるくね?そんなんぜったい洋の勝ちじゃん」



それでも洋くんたちはおしゃべりをやめないし…。

先生もクラスメートたちも、みんな困ってるじゃんか。



んもうっ、洋くんってば!



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