この手をぎゅっと、離さないでね?



小学校の帰り道も、1人じゃ危ないからっていつも一緒に帰ってくれてたんだもんね。

変な人がいたら俺が守るよ、って頼もしかったよね。



「なーに笑ってんだよっ!」



洋くんはムッと唇を尖らせると、私の頭をぐしゃぐしゃ撫で回してきた。



「ふふふっ、ごめん。変わったようでぜんぜん変わってないなぁって」

「なんだそれ……褒められてんのか貶されてんのか…」

「あはは、褒めてるんだよ?」



私は笑いながら、乱れた髪の毛を手ぐしで整えたりなんかして。

そんな洋くんの優しいところがすきなんだよなぁって、改めて思った。


< 57 / 347 >

この作品をシェア

pagetop