この手をぎゅっと、離さないでね?
小学校の帰り道も、1人じゃ危ないからっていつも一緒に帰ってくれてたんだもんね。
変な人がいたら俺が守るよ、って頼もしかったよね。
「なーに笑ってんだよっ!」
洋くんはムッと唇を尖らせると、私の頭をぐしゃぐしゃ撫で回してきた。
「ふふふっ、ごめん。変わったようでぜんぜん変わってないなぁって」
「なんだそれ……褒められてんのか貶されてんのか…」
「あはは、褒めてるんだよ?」
私は笑いながら、乱れた髪の毛を手ぐしで整えたりなんかして。
そんな洋くんの優しいところがすきなんだよなぁって、改めて思った。