この手をぎゅっと、離さないでね?



「あぁ?誰だよお前」

「ひっ……すみませんっ!決して怪しい者ではございませんっ」



怖いっ!

私のこと睨んでるっ……!



「お前、なんかどっかで見たことあんな。同じ学年のやつか」



尾崎くんがゆらりと立ち上がると、目線がぐん、とあがって見上げる形になった。



「あぁ……はぁ、まぁ…はい」



うぅ……怖いなぁ。

尾崎くんのヘーゼル色の鋭い瞳が、獲物を狙う蛇の眼にしか見えない…。



「なぁ、お前金もってねぇ?」



こ、こここここれはっ……。

もしかして私……カツアゲされてる?



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