この手をぎゅっと、離さないでね?
そういうことか。
カツアゲされるって思ってだけど、そういうことじゃなかったんだ。
「私っ、本当はお金持ってます!お困りのようでしたらお貸ししますよっ!」
「お……マジで?」
「はい!どちらまで行かれるんですか?」
「ホタルの里公園前まで」
ということは……洋くんとはご近所さんなのかな?
洋くんの家の最寄りのバス停も、ホタルの里公園前なんだもんね。
ちなみにホタルの里公園っていうのは、洋くんの家の真横にある小さな公園。
そこから裏に流れている小川を飛ぶホタルを見ることができるから、ホタルの里公園っていうんだ。