この手をぎゅっと、離さないでね?



ドキドキしながら正直に頷いた。

こういうときは否定した方がいいかなって思ったけど、私って咄嗟に嘘がつけないんだもん…。



すると尾崎くんは、急に火がついたように笑いはじめた。



「ははははっ!だからってタメなのに敬語使うか?気持ち悪ぃからやめろってそれ」



びっくりした…。

意外な反応だなぁ。

てっきり、なんだそれって呆れられたりするのかと思った。



「はぁ……わかり、じゃないや…。わかった、尾崎くん…」

「ついでにその尾崎くん、っつーのもな。光琉でいいよ、あかり」


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