この手をぎゅっと、離さないでね?
翌日になると、光琉くんは本当に3組の教室にやってきた。
「おい、あかり!宇月あかりはどこだ?」
教室のドアをガラガラっと開けて、とつぜんそんなことを言うもんだから教室内の空気が一気に氷ついた。
「あ……はい、ここにおります」
って、また敬語になっちゃった。
「ちょ……あかり、大丈夫?尾崎になんか言ったの!?」
なんでみっちゃんは焦ってるんだろう?
それにクラスのみんなも…。
え……宇月さん、尾崎になにかしたの?
しばかれるんじゃない?
クラスメイトたちのヒソヒソ声と、不安そうな視線が一斉に私へ集まってきた。