この手をぎゅっと、離さないでね?
唇が軽く触れるだけのキス。
時間にすると、ほんの一瞬ことだった。
だけどたしかに感じた。
柔らかい感触、温かい体温。
一瞬だった。
だけどまるで時間が止まったように、すごく長く感じた。
だって……ファーストキスなんだもん。
「えっと……あはははっ」
恥ずかしくって目も合わせられないし、何を話せばいいのかもわからないし。
ドキドキしすぎておかしくなりそう。
だからなんとなく笑ってみたりなんかしたけど…。
「……笑うな」
「だって恥ずかしいんだもん…」
私の胸の鼓動は爆発を繰り返すかのように暴れている。