この手をぎゅっと、離さないでね?
そうだろうと思った。
詩織ちゃんはぜったい、洋くんのことが好きだろうと思ってた。
「あ、でも中学2年生のころの話しだから今は違うんじゃない?」
「いやいや、違わないって!」
詩織ちゃんは洋くんと廊下で会う度に、肩を叩いたり背中を叩いたり。
何かと洋くんとスキンシップをとるんだもん。
そのときの詩織ちゃん、洋くんを見つめる視線が熱いんだもん。
「あかり、顔が般若みたいになってるよ…」
「うーっ…。だって洋くんがモテモテなんだもんっ!」
「ふふふっ、あかりって意外とヤキモチ妬きなんだね。仙崎もいまのあかりを見たら、可愛いって悶えるんじゃない?」
「ちょっとみっちゃん、笑いすぎ!」