この手をぎゅっと、離さないでね?



じゃあ5時間目の授業をサボるためにここに来たのかな?

なんて、ぼんやり考えていると。



「1個もーらい」



光琉くんは私のお弁当箱からから揚げをつまんで、ひょいっと口の中にほうりこんでしまった。



「あっ、私のから揚げがっ!それ、まだ練習中だから美味しくないよっ!」



洋くんに美味しいから揚げ弁当を作るために、味付けを試行錯誤中なんだから!



「お、なんだやっぱりうめぇじゃん。これのどこが練習中なんだ?」

「ほんと!?ほんとのほんとに美味しいっ?」

「うめぇよ。アンタ、料理上手だな。すげぇじゃん」



ほっ……よかった。

まずいって言われたら泣くところだった…。



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