この手をぎゅっと、離さないでね?



「おいおい…まさか仙崎と付き合ってるとかじゃねぇよな?」



光琉くんの眉がぐっと寄った。

睨むような鋭い目に、私はごくりと息をのみこんだ。



「え?うん……付き合ってるよ…?」

「はぁ?本気かよ?」



光琉くんは、チッと舌をならした。

またアイツかよ!なんてよくわからないことを言いながら、イライラを隠しきれない様子だ。



私が洋くんの名前を口にした瞬間、態度が激変しちゃったから…。

洋くんと不仲な光琉くんの前では、洋くんの話しはしない方がよかったんだろうなぁ…。



< 98 / 347 >

この作品をシェア

pagetop