この手をぎゅっと、離さないでね?
「……マジでムカつくわアイツ。ぶっ飛ばしてやる!」
すっと立ち上がった光琉くんは、握りこぶしをつくっなりなんかして怒り心頭なようで。
「ちょっと待って、光琉くん!」
アイツっていうのはきっと洋くんのことだから、私は咄嗟に光琉くんの腕を掴んだ。
「あっ、あかり…お弁当が!」
みっちゃんの声にはっとして足元を見ると、今朝一生懸命つくったから揚げ弁当が地面にひっくり返っていた。