恋してる女の子って最高に可愛い
「あぁ、ただいま」
「早く中入って入って!!」と私はお父さんの手を引っ張る。
「そんな急かさなくてもお父さんはもうどこにも行かないぞ?」と言われた。
「わ、わかってるよ!!」とあわてて言う。
中に入るとお母さんは手洗いうがいをして、「今から夕食作るわね」と料理し始めた。
「あっ、まってまって!私も一緒に作る!!」
「はいはい、わかってるわよ、まず手洗ってきなさい?」
「洗ってきた!何すればいい?」
「卵といてくれる?」
「わかった!って、もしかしてオムライス!?」
「そうよ、美羽とお父さんの大好物だもの」
「えっ…!?お父さんもお母さんのオムライス大好物だったの!?」
私は驚いた。
まさか一緒だったなんて、思いもしないでしょ??
やっぱり親子なんだなって、そう思った。
卵をといていると、お母さんがチキンライスを作ってお皿にうつしていた。
一度フライパンを洗って、もう1度火をかける。
「美羽〜、冷蔵庫からバター取ってくれる?」
「わかった!はい、バター!」冷蔵庫から取り出してお母さんに渡す。
「ありがとう」
お母さんは、私からバターを受け取ると、バターを切ってフライパンに入れた。
バターが熱で全部溶けると、卵を入れた。
卵を少しまぜながら卵を焼けるのを見た。
本当はお父さんに私の作ったオムライス食べてもらいたかったけど、今日はお母さんが作って、私は少し手を貸す程度にした。
「私机拭いとくね!」とリビングにある机を拭いた。
しばらくすると、全員文のオムライスが出来た。
「私ケチャップで文字書いていい?」
「いいわよ、なんて書くの?」
「えぇ〜?知りたい?耳貸して!」とお母さんの耳元で、“お父さんおかえり”って書くの!
「ふふっ」とお母さんは微笑んだ。
「いいでしょ!」
「きっと喜ぶと思うわ」
私はお父さんのオムライスに、“お父さんおかえり”って書いて、リビングの机に持っていった。
「じゃじゃーん!」
「おおっ、これ美羽が書いてくれたのか?」
「そうだよ!!食べてみて!」
「いただきます」とお父さんが言ってオムライスをスプーンですくって口に運ぶ。
食べてくれた!と思っていたら、
「お父さん嬉しいよ」といきなり泣き始めるのでびっくりした。
お父さんが泣き始めたので、「え、まずかったかしら…??」とお母さんが不安になっていた。
「いや、これは嬉し涙だよ…」
「お父さんそんなに嬉しかったの?」
「あぁ、すごく嬉しいよ」と言いながらオムライスを口に運ぶお父さんを見て、私とお母さんはにこやかに微笑んでいた。
「じゃあ、私達も食べましょうか」とお母さんが私に聞いてくるので、「うん!」と元気に答えた。
何年ぶりかに家族みんなで集まって食べたオムライスは特別美味しかった。
これが当たり前になるんだよね。嬉しいな。
夕食を食べ終えると、お父さんが「洗い物は俺がやるよ」と言って洗ってくれた。
それから私達は、お風呂に入ってぐっすり寝た。