放 課 後 、数 学 準 備 室 で 。
────……




「──はい、今日はここまで」



「ありがとうございました」






山田先生は、やっぱり教え方がうまい。



なんと数学で9点を取ったことまである私が、応用問題を1問解いてしまった。




素晴らしい成長。





「じゃ、失礼します」



「おい待て」



「はい?」



「下まで送る」



「いや、いいですよ。仕事ありますよね?」



「あ"?俺に逆らうの?数学欠点取って留年してもいいの?別に俺はいいよ気にしねえし。
残念だねえ。親御さんが実に悲しむ顔が想像できるなぁ。きっと玉木のために頑張って働いてお金払って高校行かせてたのに数学欠点で──」



「わっ、わかりました!!!」






脅威のマシンガントーク。



どうしてそんなにもスラスラと脅しの言葉が出てくるのか。






「わかればよろしい。ほら、行くぞ」



「はい」





でもさ、これ、優しさなんだよね。




山田先生が素直じゃないだけで。







───靴箱






「…あっ、一ノ瀬先輩…!!」



「??……えっと、」



「あ、すみません。私いつも昼休みグラウンド見てて…!」






急に会ったら私もビックリするよ〜〜っ。


でも先輩の方が驚くよね。だって知らない人に急に話しかけられてるもんね。






「……あっ!もしかして2年7組の子?」



「へ?…あ、はい、そう…ですけど、」






え、なんで知ってるの?





「いつも可愛い子が見てるって、友達がよく言ってたから!



2年7組の教室からって!」







え。一ノ瀬先輩のお友達ナイスすぎます。



とにかく挨拶だよね。自己紹介?…ここで?





「玉木千紘です」



「一ノ瀬類です!」



「存じ上げてます」



「ありがとうございます笑」



「一ノ瀬、サッカー頑張れよ?」



「山田先生、ありがとうございます!また部活見に来てください!」



「おー」






………やばい。


先生の存在忘れてた。





「じゃっ、じゃあ一ノ瀬先輩、失礼します!」



「またね!千紘ちゃん!」





"千紘ちゃん"?!



はぁ、、、もう、、なに、、ずるい。





「玉木?(ニコッ」



「……ごめんなさい」



「俺を放ったらかして一ノ瀬とキャッキャするなんて、度胸のある奴」




「殺さないでください!!!」




「…………は?」




「…山田先生の目が殺気に満ちあふれておりましたゆえ…」




「……っはははははwwww」




「え、」



「お前おもしれーwww」






はい?



なんでこんな笑われてんの?






「もういいです、帰ります!さよなら!」



「玉木!」



「なんですか」



「また明日な」



「………失礼します」






また明日。



まさか山田先生がそんなこと言うなんて。





あ~でもあれか。




"また明日も数学準備室な?"


ってことか。






……毎日残ってこの時間まで数学頑張れば、



毎日一ノ瀬先輩に会えたりする?




……てか、さっきの会話、


一ノ瀬先輩はたしかサッカー部に入ってたはずだから、


山田先生、サッカー部の顧問だったの??
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