借金取りに捕らわれて 2
「武寅、隼人待ってる間相当飲んだからね。」と、武寅の前にお冷やを置いていく。


どんだけ飲んだんだよ。

武は昔から飲酒量がある一線を越えると全く話を聞かなくなる。

その一線とは、軽く樽は飲むのだが…


「ここに来る前も、どこかで飲んできたみたいよ。」


今日、何かあったのか?

聞こうと思ったが、今話聞かないからな…

まあなんにせよ、酒は強い方だからこの状態は長くは続かない。

もう少ししたら聞いてみるか。



「隼人も1つくらい食べていきなさいよ。
それとも、私を太らせたいのかしら?」


昔からどんだけ食べても太らないくせに、よく言うよ。


「特別にいいコーヒー煎れてあげるから、それまで決めときなさいよ。」


「あー、分かったよ。」


「にしても…」と、説明書を見ていた武が呟く。


「ムースケーキに、ショートケーキ、芋焼酎を使ったモンブラン、芋焼酎を使ったチーズケーキ、芋焼酎を使ったガトーショコラ、芋焼酎を使ったリンゴケーキ…
ヒロが好きそうなチョイスだよな。」


「ねっ。ヒロちゃん"が"好きそうなチョイスよね。」


2人が顔を合わせたのを俺は見なかったことにした。


「たまたまだ。」


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