借金取りに捕らわれて 2
「何だ違和感て?」

「俺には全く感じないけどな。」と言いながら、後ろからついてきた武寅が部屋をぐるりと見回した。


「部屋の広さだ。」


「広さ?」


「外から見た時より部屋が狭く感じたんだ。気のせいだと思ってたんだが…
ここに来る前にマサに確認させたら窓から壁まで歩いた歩数に差異があった。つまり、」


「つまり?」


壁を拳で叩くとコンと軽い音が響いた。


「壁の向こうに空間があるってことだ。」


「!?そこに隠れてたってことか?」


「いや、これを見てみろ。」


拓海さんから受け取った紙を武に渡す。


それは見取り図だった。
この3階建てのビル内全ての部屋が記されていて、俺は例の空間がある場所を指差す。


「階段がある。」


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