借金取りに捕らわれて 2
「目的も何もー」

「お前がヒロに恋愛感情を抱いていないことは始めから分かっていた。」

「………」

「もし、お前の目的が俺ならー」
「俺なら、どうする?」


最後まで言わず挟まれた声は、先ほどまでの柔らかい言葉遣いとも少年のような声色とも全く違うものだった。


「あんたが目的でヒロさんに近づいたのだとしたら?」


やはり目的は俺か…


「もしヒロに危害を加えるようなら、容赦はしない。
これ以上ヒロに近づくな。これが最後の警告だ。」

「警告ねえ。」


俺の言葉を反芻する雪斗は、全く気に止める様子もなく、どこか肝が座っているようなそんな印象を受けた。


「それで?ヒロさんに伝える?俺があんたに、嫌がらせ、もしかしたら復讐かもしれない、そんな目的でヒロさんに近付いたって。」



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