借金取りに捕らわれて 2
「お前!ヒロに何をした!」


階段を数段上ると、部屋の前にいるのが秋庭さんと、こちらに背を向けていているが雪斗君だと分かった。

ただならぬ雰囲気に駆け寄ると、秋庭さんが雪斗君の胸ぐらを掴んでいるのが見えて、私は秋庭さんの今にも殴りそうなとても恐い顔にたじろぐ暇もなく止めに入った。


「秋庭さん!?何してるんですか!!」


腕を掴んだ私に、秋庭さんは始め驚いた表情を浮かべたが直ぐに安心したような顔になって、腕はすんなり雪斗君から離れていく。


「ヒロ…」


二人に何があったのかは分からないが、今は少しでも離れた方が良いだろうと、私は雪斗君を庇うように二人の間に割って入った。


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