借金取りに捕らわれて 2
「今コーヒー煎れますね。」

秋庭さんに背を向け、シンク台でマグカップにインスタントコーヒーを入れながら、思う。

ほっとはした。だが、気まずいのは変わりない。



「どうぞ。」

キッチンテーブルに湯気の立つコーヒーを置くと、その音が静かな部屋にやけに際立って聞こえる。

「ありがとう。」

それ以降、秋庭さんは何も言わなかった。

気まずい雰囲気にどう話を切り出そうか迷った私は、シンクに寄りかかりコーヒーを口に運んだ。


空気が重い…

どうしたものか。

いやいや、それよりもこの空気以上に二人のことだよ…

正直、二人のことをどうしたら良いものか分からないし、考えたところで私にその答えを出せる気もしないんだよね~

だからと言って、考えることを放棄するつもりはないんだけど。

まずは…

何があったかだよね。


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