借金取りに捕らわれて 2
これはマズイ。雪斗君の話から話が掏り変わっている。
完全に秋庭さんのペースだ。

これで『いたいです…』なんて言ったもんなら、同棲一直線だ。

「その言い方はズルいです!それに色々展開が早すぎます!(仮)で付き合ってまだ2週間ですよ!?今の段階で同棲はないです!」

このままだと流されても良いかもと思ってしまいそうで、その断りの言葉は秋庭さん以上に自分に対して言っている意味合いが強かった。

「…そうだな。色々早すぎたかもな。
分かった、一旦同棲は諦める。」

一旦、ですか…

「諦めるけど、その代わり俺を安心させてくれるか?」

「?」

「ヒロが俺だけを好きって証明がほしい。」

「証明ですか?」

物を贈るとか、言葉や態度で示せってこと?

「具体的にどうしたら良いですか?」

秋庭さんはイスから立ち上がり私の前まで来ると、そっと両頬に手を伸ばした。

見つめられ、包まれた頬が熱を帯びていく。

心臓も早くなって居心地が悪い。

「秋庭…さん?」

「ヒロ、お前が欲しい。」

「それって…」

「お前を抱きたい。」

「!?」
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