借金取りに捕らわれて 2
「それで、大丈夫って言ったのか。」


秋庭さんにやっと理由を分かってもらえたけど、それでも納得はしていないようだ。だって、そんな顔をしているから…


「はい。ずっと真希が一緒にいてくれたんですけど、丁度コーヒーを切らしていて、コンビニに買いに行ってもらってたんですよ。」


「ヒロ、これお釣りね。」


真希から差し出されたお金をお礼を言って受け取り、それを財布に仕舞っていると、「なあ…」と声が掛かる。


「はい?」


振り替えれば、実際そうではないとは思うのだけれど、秋庭さんはどこか拗ねているように見えた。



「今回みたいな困った時って、普通彼氏に頼むよな。」



秋庭さんに連絡しなかったのは…



私が口を開きかけたところで、真希がずいっと秋庭さんの顔に詰め寄った。


「彼氏ならな。」


「列記とした彼氏だから。」


「仮のな。」


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