借金取りに捕らわれて 2
「乱闘の件ですが…」


「ああ、分かってるって。
あの場にいた女は誰かも分からないし、警察が来る前に逃げたから事情聴取も出来ない。で、良いんだろ?もうチームには伝達済みだ。」


「くれぐれもよろしくお願いします。」


真剣な俺の顔を見て、拓海さんは鼻から息を吐くように小さく溜め息を吐いた。


「お前の優しさって片寄ってるよな。
それを均等に分けたらモテんのにな。」


「俺は、只一人にだけ好きでいてもらえれば良いんです。
それに、これ以上モテてどうすんですか?」



ニヤリと笑えば、呆れた顔が今にも舌打ちしそうだ。



「お前、撃ってやりたいわ。」


「本物持ってる人に言われると、冗談に聞こえませんよ。」


「それにしても、お前みたいな奴に惚れられるとは、彼女も大変だな~」


「そうだ。」と何か思い出したように、拓海さんが悪い顔で笑った。


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