借金取りに捕らわれて 2
ハルキとけーちゃん
トレイを片手に裏口のドアを開ければ…



ん?



ベンチに座る小さな男の子と目があった。


直ぐに視線を反らされ、男の子は足をぶらぶらさせ畑の方を見ている。



こんなに小さい子がこんな時間にどうしたんだろ?



背丈からして6歳くらいだろうか?

とても落ち着いた子だなと思った。

色白で整った顔を、短く切ったさらさらの髪が覆っている。


これは学校でモテモテだろうなー

服も、赤のダウンジャケットにデニムのパンツを合わせて、私の勝手な妄想だけど、サッカー出来る男子って感じだ。

モテないはずがない。




誰かのお子さんかな?



ジュリエットで働く人の中には子持ちのママさんがいると、以前篤志さんが言っていた。



ん~、目があって、何もなかったみたいに折り返すのもな~

一人でいるのも気になるし…

ちょっと、声掛けてみようかな。


「こんばんは。」


男の子に近づき挨拶をすれば、また視線が重なった。


「…こんばんは。」


一瞬間があったが、とくに警戒はされていないようだ。


「隣、座っても良いかな?」


男の子は小さく頷く。


許可を得た私は、適度な距離を持って長いベンチの端へと腰を下ろし、男の子との間にトレイを置いた。

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