借金取りに捕らわれて 2
「ん?あんた…」


近づいてきたその人は、サングラス越しに私をじっと見て足を止める。


「もしかして隼人の女か?」


ん?この人、秋庭さんの知り合いの人?


「一応は…そうですけど。」


私は食べかけのサンドイッチを皿に戻し、近付いてくるその人を警戒しつつ答えた。


秋庭さんの知り合いならそんなに警戒する必要はないと思うけど、どういう人か分からないし…


「一応って何だよ。」


私の返答にその人が小さく笑いながら言うと、先程までの危ない雰囲気が大分和らいだように思えた。


あれ?見た目より怖くない?


「仮なので…」


「ああ、そんなこと言ってたな。にしても、あの隼人が仮ねー」


今度は何だか楽しそうだ…


んー、この人秋庭さんとどういう関係なんだろ?


いっそどういう関係か聞いてしまおうか、と考えていると隣に座るハルキ君の手が止まった。


「ご馳走ーさまでした。」


ハルキ君はプリンを完食し、トレイにカップを戻すとベンチからぴょんと飛び降りた。


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