借金取りに捕らわれて 2
「お姉ちゃんありがとう。またね。」


「うん、またね。」


にこりと微笑んで見送ったハルキ君は、真っ直ぐ男性に走り寄りその足にぎゅっと抱きついた。


「けーちゃん、お待たせ!」


「何良いもん食べたんだ?」


男性は小さいハルキ君を軽々と抱き上げ、腕に乗せて微笑む。


「人参プリン!」


「おう、それは良かったなー」


二人を取り巻く雰囲気に、かなり仲が良いんだなと思う。

この二人もどういう関係なんだろ?

お父さん…ではないよね…

お兄ちゃん?

名前で呼びあう兄弟もいるし。

でも、違う気も…



「あんた、名前は?」



不意に男性がこちらに顔を向け聞いてきたが、考え事をしていた私はどぎまぎして直ぐに返事が出来なかった。


「えと、柏木浩都です。」


ちょっと早口になってしまったが名乗れば、男性も「俺は」と口を開く。


が…


「京輔だよー」


男性が名乗る前にハルキ君が元気よく答えた。

出す言葉を無くした男性の口角が上がり、大きい手がガシガシとハルキ君の頭を撫でる。


「そうだな、代わりに答えてくれてありがとな。」


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