借金取りに捕らわれて 2
髪をぐしゃぐしゃにされながらも、キャッキャとはしゃいで楽しそうなハルキ君を抱え直し、京輔さんがまたこちらに顔を向ける。


「あんたとはそれなりの付き合いになりそうだからな、これからよろしくな。」


何がそれなりなのかは分からないが…


「こちらこそよろしくお願いします。」と、ベンチから立ち上がりペコリと頭を下げた。


「じゃあ行くわ。隼人によろしくな。」


そうして二人は表通りへと続く道へと消えて行った。







なんか、今日は色々あるなー


元の場所にかけ直した私は、息を吐くような溜め息を静かになった裏庭へと流し、ベンチに背を預け空を仰いだ。


月が浮かぶ夜空、星は見えない。


裏庭はここだけ切り取られたようにとても静かで、たまに遠くから車のクラクションや人の声が聞こえてくるくらいだ。


ゆっくりと目を閉じれば、今日あったことが自然とフラッシュバックしてくる。


< 58 / 147 >

この作品をシェア

pagetop