借金取りに捕らわれて 2
だけど、その人影だと思ったものは、突然吹いた風に目を閉じて次に開けた時には消えていた。



気のせいかな?

なんだか…

秋庭さんだったような気がしたんだけど…




でも、秋庭さんだったら、速攻でここに割り込んできたはずだ。

雪斗君を警戒してるもの。

やっぱり気のせいだろう。




「ヒロさん、どうかしました?」


公園の方に視線を向ける私に、雪斗君が小首を傾げる。


私は首を小さく振り、「なんでもないの。」と微笑んだ。


「公園に秋庭さんがいたような気がして。」


「………」


「でも、気のせいだったみたい。」


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