借金取りに捕らわれて 2
そして私は迷った末、口を開いた。


「や、優しい人かな?」


間違ってないとは思う…


「優しい人ですか…」


「それって…」と言いかけて、雪斗君は一拍止まり、にこりと笑った。


「素敵な彼氏さんですね。」



なんとなく…


言いかけた言葉を飲み込んだ、様な気がした。


どんな言葉を飲み込んだかは分からない。


少し気になったけど、秋庭さんの話を早く終わらせたくて、私はそれを追求しないことにした。


「もうこの話はお仕舞い!」


それからは秋庭さんの話になることはなく、二人ケーキを食べながら他愛ない話をした。



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