ハツコイ
「じゃあ、また数年後集まろうぜー!!」
「おおー!!」
いよいよお開きの空気になってきた中、タケルに呼び止められた。
「どう?倉科とはいい感じ?」
「まあね。でも相変わらずモテるから、こういう同窓会の場とかは、ヒヤヒヤさせられるよ。」
エリと楽しそうに喋る柚を見ながら呟くと、タケルがフッと笑った。
「倉科も同じように思ってるみたいだぜ?誰かさんはビーチバレーで目立っちゃって、女子にキャーキャー言われてたからな。うちの姫が倉科に、今夜ビキニ姿で誘惑するよう仕向けたらしいぞ?それだけ伝えとくわ、じゃあな〜!!」
「えっ?あ、おいっ!」
なんか今、サラッと重大なこと言ったよな!?
ビキニ姿で…誘惑?
柚が…??
もし…もしも本当にしてくれるんだったら…
知らないフリして、引っかかりたい…。
「…い?るーいっ!!」
「へっ!?……あ、柚…。」
気がつくと目の前に立っていた柚。
「帰ろう?」
「あ、ああ。」
柚…いたって普通なんだけど。
本当に誘惑なんてするのか?
そう思いながら、自宅へと車を走らせた。