ハツコイ

「…じゃあ、おやすみ。」




家の前に着いてしまった。




もっと一緒にいたいけど…今日は朝からずっと一緒だったからな。




それで夜も…なんて、柚も疲れちゃうよな。




そんなことをモヤモヤと考えていたら、柚が何かをつぶやいた。




「……たい…」




「え…?」





聞こえなくて少しかがんで柚の顔を覗き込むと、柚の目が少し潤んでいた。





「今日はずっと……一緒にいたい…」





聞き間違え…じゃないよな?




今…柚が言ったんだよ…な?





「お…俺の部屋でいい?」




どもるな、俺!



焦ってんの、丸わかりでかっこ悪いだろ!!




そんな俺に、柚は頬をピンクに染めながらコクンと頷いた。





脳裏に、さっきのタケルの言葉が蘇る。





“ビキニ姿で誘惑するように仕向けたらしいぞ?”





まさか…本当なのか??




なんか…緊張してきた…。



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