ハツコイ
その後、用事を済ませて再びエレベーターに乗ると…




「お、奇遇。」





そこには、琉偉がいた。





「さっき麗華さんに会ったよ。お詫びしたい、なんて言われちゃった。」




「はは、麗華らしいな。」




エレベーターに二人っきり!!




…緊張する。





「…どーかした?」




そんな私の緊張は、琉偉に簡単に伝わってしまったようで。




「なんでもな……ちょっと、琉偉っ!」




背後からギュッと抱きしめられた。




「ここ会社っ…」




「いーじゃん、二人っきりなんだし。」




さっき、琉偉を抱きしめたいなんて思っていたから…




逆に抱きしめられちゃったりされると、いつもより余計に心臓がバクバクしちゃうわけで…




「柚…」



耳元で囁かれるように名前を呼ばれたら、もう全部の機能は使い物にならなくなるわけで。





「そろそろ、こっち向いて…」




そう言いながら、くるっと琉偉の方を向かされる私。




そして…




「……柚の唇欲しいんですけど。」




そう言って、エレベーターの中でキス。



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