ハツコイ
琉偉と再会できて、本当に良かった。
じゃなきゃ私、この先一生恋愛出来なかったかもしれない。
安原さんや他の誰かと付き合ったとしても、こんなドキドキ感は感じられなかったかもしれない。
離れていた10年が惜しいくらい、琉偉のことが好きで好きでたまらなくて。
片時も離れたくなくて。
私だけの琉偉であってほしくて。
…いつからか、こんなに独占欲の強い私になってしまった。
「ね、琉偉。今日残業どれくらいかかりそう?」
「んー…今日はそんなかからないけど、どうして?」
「一緒に帰りたいなって…。それで、どこかでご飯食べない?」
家で待っててもいいけれど、一緒に帰るって、なんだかデートっぽくて好き。
部屋着ではなく、スーツでバシッと決めている琉偉とデート。
大人のデート…って感じ。
「オッケー。じゃ終わりそうになったらメールするよ。」
そう言って先にエレベーターを降りて行った琉偉の後ろ姿を見ながら、何食べようかな、なんて考えてウキウキ気分だった私。
そんな私に…
数時間後、ライバルが現れるとは露知らず。