ハツコイ
披露宴が終わった瞬間、柚にめちゃめちゃ怒られた俺。




「もう!みんなが!見てる!前で!!ななななんてことっ…!」




怒っている途中で思い出したのか、またもや真っ赤になって固まる柚。




でも、おかげでほら。




加奈子って子は、もう俺のところには近づいてこなかっただろ?




柚がそのことに気づいても気づかなくても、いつの間にかそんな不安が消えていれば、それでいい。




すると、柚がこの場から早く逃げ去りたいのか、言った。




「ね、早く帰ろ。恥ずかしいもん…」




そんな柚に、今度はタケルに協力してもらい頼んでいたことを告げる。




「今日帰らないよ?この上のホテル、タケルに頼んで予約してもらってるから。しかも、スイート……はさすがに無理だったけど、デラックスルームをね。」




「ほ、本当に…?」



「本当に。」




そしてまた、柚は顔を真っ赤にして固まった。


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