ハツコイ
「じゃあ来週は、新メンバーの歓迎会も兼ねてやろうね。おやすみー!」
二階会を終え、琉偉と部屋に戻る。
いつも二階会の後は、琉偉の部屋で二次会、という流れがほとんど。
琉偉がお酒を飲み直すからなんだけど…
なぜだか今日は、琉偉がとても無口。
「琉偉、どうかした?」
「ん?何でもないよ。」
二階会の時もあまり話してなかったような気がする。
そんなことを考えながら、琉偉の部屋に入ると…
背後から急に抱きしめられた。
「…ど、どうしたの?」
「んー…ヤキモチ?」
ヤキモチ…?
何に対しての??
そう思うくらい、今日は特別何もなかったように思ったのだけれど。
「シゲさんが柚に猛アタックしようとしてたなんて、知らなかった。どうやら俺の彼女は、相当モテモテなようですね。」
「えっ?シゲさんのなんて、冗談でしょ?」
そんな私の一言に、琉偉の抱きしめる力が一層増す。
ていうか、モテモテですねって…それは琉偉でしょ!!
「俺の腕の中にずっと閉じ込めておきたい…」
そんなことを言うものだから、私も思わず、琉偉の服をきゅっと掴んだ。
「…私もずっと、琉偉の腕の中にいたいよ………」