ハツコイ
思うことは、いつも同じ。



「…柚………」




その甘い囁きと共に、甘いキスが降り注ぐ。




「…んっ………」




まだ玄関だというのに、琉偉のスイッチは完全に入っちゃったみたい。




できれば片時も離れずに、ずっとずっと一緒にいたい。




いつどこで、誰が琉偉に微笑みかけているかわからないもの。




同じ会社だけど、隣の家だけど。



琉偉がいない時間は、どこか不安で仕方ないの。




しばらくして、琉偉がキスをやめてじっと私を見つめてきた。




「どうしたの?」




「ん?幸せだなーと思って。」



そう言って、私を抱き上げた。




「きゃっ…お姫さま抱っこ……」



思わずそう呟くと…




「ベッドまで参りましょうか、姫。」



と答える、私の王子様。




そんな琉偉の首の後ろに手を回し、きゅっと抱きついた。




本当に、幸せ。




これで琉偉と結婚したら、このドキドキは一体どうなっちゃうんだろう。



ドキドキしすぎて、倒れちゃいそうだな。




そんなことを考えながら、琉偉にしがみついた。

< 145 / 211 >

この作品をシェア

pagetop