ハツコイ
あれ?って思ったのは、その次に行われた二階会の時だった。




いつものように、みんなでワイワイ飲みながら話していた時のこと。




琉偉は相変わらずベランダで飲むのが好きなようで、りょうちゃんと話していた。




私は部屋の中で他のみんなと輪になって談笑。



「酒、空っぽじゃーん!」



突然、シゲさんが目の前の空き缶をゆらゆらさせた。




「ったく、シゲはほんと飲むんだから。」



そう言って立ち上がろうとした百合さんを止める。




「百合さん、私持ってきますよ。」



「あ、ほんと?冷蔵庫の二段目に入ってるの、適当に持ってきてー。」




楽しそうなみんなの笑い声を背に、キッチンへ向かった。



そして、お酒を何本か手に持ち、部屋に戻ると…




ベランダで話しているのが、琉偉と芽衣ちゃんに変わっていた。




「あれ…りょうちゃんは?」



「ああ、トイレじゃない?」




…その隙に、琉偉のところへ行ったのかな。





………って、私なに考えてたんだろ。



別に、ただ芽衣ちゃんが琉偉と話してるだけなのに。



ヤキモチ…?



だけど、前回の二階会で、私たちが結婚すること知ったわけだし。



まさか…ね。




………そう、思っていたの。



< 149 / 211 >

この作品をシェア

pagetop