ハツコイ

「やーだぁー!琉偉くんってばぁ〜!!」




ちょうどこっちの会話がひと段落ついたからなのか、芽衣ちゃんの声が大きかったからなのか。




可愛らしい声でそう言いながら、琉偉の背中を叩く芽衣ちゃんを見てしまった。




「あれ?柚奈、コップ空っぽじゃん!さ、飲みな飲みな!」



あーみんが気を使ってか、お酒を注いでくれた。




「あ、りがとう…」



ズキン。




たったあれだけのことなのに、無性に悲しくなった。




私の琉偉に触らないでって…言いたくなった。





私、最近変だ。




ヤキモチばっかり。



芽衣ちゃんにそんなつもりないのかもしれないけど、琉偉に気があるのかも…なんて思っちゃってる。




気のせいだよ、きっと。




そう自分に言い聞かせながら…





この日の二階会は、終了した。



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