ハツコイ
私も自分の部屋に入ろうとしたら…




「ジメジメ暗〜い。」



隣から百合さんに覗かれていた。



「あっ、百合さん…」



「おいで。今あーみんと飲もうとしてたんだ。」



フッと笑った百合さんが、そう言って私を部屋に入れてくれた。




「お邪魔します…」




力なくその場に座り込むと、あーみんに爆笑された。



「柚奈、あんたバカ?あんたが琉偉の彼女なんでしょ?何でそんな暗い顔してんの。」



「だって…せっかくの仲間なのに。琉偉と話さないでって思っちゃうんです。すっごい嫉妬してる、私。みっともない…」



恥ずかしくて、顔を手で覆うと、百合さんにまで笑われた。



「そんなの当たり前でしょうが。好きな男が他の女と話してりゃ、誰だって嫉妬するもんよ。」



そんな百合さんに、あーみんも首を縦に振る。




「そーそー。そもそもあんたは遠慮しすぎ!昨日ベランダで話してた時だって、割り込んで行きゃあよかったのよ!」



「え、割り込む!?」



「あはは!それが出来ないのが柚奈じゃんね?」



百合さんが私の肩をポンと叩いた。





「ベランダでの話の続きをしたいって芽衣ちゃん、琉偉の部屋の前にいたんですけど…昨日なにを話したのかな。」




「それはわからないけど…琉偉のこと気になってるのは確かだね。」




いきなりのライバル登場。



戦える気がしないよー…




「ま、飲みな!ぱーっと、ね。」



考えれば考えるほど、自分の中のドロドロした気持ちが溢れ出てくる。




琉偉を独り占めしたくなってしまうの。



私だけの琉偉でいてほしい…なんて…



そんなことを考えてしまうの。



そんな自分が、本当に嫌になった。


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