ハツコイ
「そりゃ柚奈が苦労するわけだ。あんたさ、もうちょっと自分がモテるって自覚、持った方がいいんじゃない?」



「そうそう。私たちからしたら、あんたのどこがいいのかさっぱりだけどねー。」




すっげぇけちょんけちょんに言われてる、俺。



「だって別に、芽衣とがっつり話したのだって昨日が初めてだし。俺、好かれるようなことしてないよ?」



「あんたはそのつもりなくても、実際芽衣はあんたを気に入ってる。まあ、今の状態じゃわからないけど、彼女いたって無視してあんたを横取りしようとしてるかもよ?」




ぐっすり眠る柚を見る。



また我慢させちゃったのかな。





「わかった。予防線張りゃいいんだろ?だったら、二人も協力してもらうからな。」




そう言って柚を抱き上げようとしたら、あーみんに頭をはたかれた。




「痛っ…」



「協力してもらうー?協力してください、でしょ。」




「…協力してください………」





そんな俺らのやりとりに、百合さんは笑いっぱなしだ。





でも、やっぱり嬉しい。



柚がこんなにも二人に可愛がられてて、こんなにも俺たちの祝福をしてくれてて。





「…じゃ、そういうことで。次の二階会、よろしく。」




二人に作戦を伝えて、俺は柚を連れて部屋を出た。



そして、そのまま柚の部屋へ。



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