ハツコイ
柚をベッドに寝かせ、その寝顔を見つめる。
それにしても、芽衣…本当に俺を?
そんなそぶりは感じられなかったと思うし、部屋の前で待ち伏せてたって…。
「柚…」
思わず柚の名前を呟くと、柚がモゾモゾと動き始めた。
「ん…」
目が開いたのでにっこり微笑むと、泣きそうな顔で俺に抱きついてきた。
「柚…?」
「……おかえり。」
「……………ただいま。」
ぎゅっと抱きしめる。
柚も、いつも以上にぎゅってしてくれる。
「…泣かせてごめん。」
そんな俺に対しての柚の返事は…
「…好き。琉偉が大好き。」
そんな嬉しい言葉で。
「俺も、大好き。」
見つめ合って、笑う。
ドキドキだけじゃないんだ。
安心感や、幸福感。
柚じゃなきゃ、満たされない俺の心。
「ただいまのチューは?」
そんな俺に、ふふっと笑いながらチュッとキスをしてくれた柚。
幸せで幸せで仕方がない。
だけど、俺も柚も嫉妬深い。
それを知ってるのに防げなかった、今回のこと。
だから任せて。
柚の不安は…俺が必ず消し去るから。