ハツコイ

私の呼びかけにこっちを向いた安座間くん。




初めて目が合った。



初めて…きちんと正面から顔を見た。




あれだけのラブレターを貰うのが納得できちゃうほどの、イケメン…だ。




「この日誌を最後に書いて、先生のところへ持っていかないといけないんだって。」



そう言って日誌の白紙のページを見せる。



すると…




「あ、そうなんだ。じゃあ俺書くよ!」




そう言って、笑った。



うわあ…意外。



いつもラブレター貰っててもクールな感じだったから、てっきりそんな感じの人なのかなって思ってたら…




にこって…笑った。




何だか嬉しくて、私まで笑顔になっちゃう。




「ありがとう。じゃあ、これ使って?」




持っていたシャープペンを、安座間くんに渡す。




すると、安座間くんは掲示板に貼られた時間割を見ながら、日誌にすらすらと書いてくれた。




またまたびっくり!




安座間くん、字すごくキレイ…。



男の子でこんなにもキレイな字を書く人を見たことがない。




まるで、書道のお手本のような字。




「あと、ここになんか一言書けばいいんだよね?」



パッと顔を上げた安座間くんと目が合う。



思わず、呟いてしまった。




「安座間くん…すっごく字上手なんだね。キレイな字…」



「えっ?あ、ありがとう…」




少しはにかんだ安座間くんの顔。




う、うわあ…!



なんだろう、このドキドキは。




さっきまでイケメンって思ってたのに、今はちょっとだけ…可愛いと思ってしまった。



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