ハツコイ
「いよいよあさってが卒業式か。」
私の部屋のベッドにもたれかかりながら、琉偉が天を仰いだ。
「そうだね…さみしいな。琉偉と大学違うし…」
そう呟いた私の頭を、琉偉がポンポンしてくれた。
「離れてても、俺たちはずっとずっと一緒…だろ?」
「……うん」
頭ではわかってるつもり。
だけど、やっぱり寂しいよ…。
そんな私を突然、琉偉が優しく抱きしめてくれた。
「…好きだよ、柚。」
そんな琉偉の背中に手を回し、私もぎゅっと抱き着いた。
「私も…大好き…」
すると、琉偉がそっと私を、自分の身体から離した。
そして…
「柚…柚が、欲しい。もっと柚を感じたい…」
顔を真っ赤にすることさえ忘れるくらい、私はその言葉と真剣な眼差しに、圧倒されていた。
「わ、私も…」
そう言いかけた私に、琉偉がキスをしてきた。
今までのキスとは違う。
角度を何度も何度も変えての、キス。
そんなキスをしながら、いつの間にかベッドに寝かされていた私。
「…辛かったら、言って……?」
「うん…」
気遣ってくれる、その優しさも好き。
「柚……柚奈…」
優しく名前を呼んでくれるところも好き。
そして…
「あっ……ん…」
私を包み込んでくれる、その男らしい体つきも好き。
「あっ……る、いっ…!」
琉偉と過ごした初めての夜。
少しだけ大人になった私たちは、この愛を永遠にしようと誓った。
……ハズだった。