ハツコイ
ランチを終えて真希と別れた後、化粧直しのためお手洗いに向かった。



すると、目の前に見慣れた後ろ姿が。





「あ、志賀さん…」




私の呼びかけに反応し、鏡越しに目が合った。





この場に、他に誰もいないことを確認して、私は志賀さん……あーみんに、さっき真希から聞かされた噂について話した。





「あの…さっき同期から聞いたんですが。今日突然、琉偉と芽衣ちゃんが付き合ってるって噂が流れ始めたって…」




「え?何それ。何でよ?」




あまりの衝撃だったのか、すっかりいつものあーみんになっている。




「私もさっぱり…。だってこの前の二階会、琉偉と芽衣ちゃん、喋ってなかったですよね?だから安心してたのに、芽衣ちゃん…何でこんな噂を…?」




すると、あーみんがふうっとため息をついて言った。




「琉偉と芽衣がこの前話さなかったのは、あたしらが近づかせないようにしてたからなのよ。だから…あの子の意志ではないわ。」




「そ…だったんだ…」





ということは、やっぱり…





芽衣ちゃんは、琉偉のことが好き…なんだ。



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