ハツコイ
「………柚。」




「あっ…」




その日の夜の琉偉は、いつにも増してセクシーだった。




月明かりに照らされる琉偉の顔を見ているだけで、なんだか涙が溢れてきた。




そんな私の目尻に、琉偉のキスが降り注ぐ。




「…しょっぱい。」




そう言ってはにかむ琉偉の鼻の頭にキスをした。




「あ、スイッチ入れたなー?」



「えっ!?今のスイッチなの?」




確かに、これまで一度も鼻の頭にキスなんてしたことないけど…



今のでエッチなスイッチ入っちゃうって、どういうこと?




首筋から胸元へ、琉偉のキスが降り注ぐ。





「んっ……る、いっ…。鼻がスイッチなんて聞いてなっ…」





愛撫の数々に、だんだんと言葉にならない声が漏れてしまう。





「じゃあ教えてあげる。」





そう言って、琉偉は私の耳元に顔を近づけた。





そして…






「…柚が触れるとこ、ぜーんぶ俺のスイッチ。」






耳元で吐息まじりにそう囁かれ、そのまま一つになった。



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