ハツコイ
「へ…」
今…なんて??
「だから、彼氏いるの?柚。」
今、それ必要?
何のために聞いてるの?
琉偉には麗華さんっていう素敵な彼女がいる。
だったら、私に彼氏がいようがいまいが、関係ない…でしょ?
「ふーん、その黙りようはいるってことだ。」
「いっ、いないよっ!!」
しまったぁー!!
なに思いっきり否定してるのよ、私!!
「ぷっ、あはははっ。」
そんな私の焦りようは、琉偉の目に可笑しく映ったようだ。
「柚、相変わらずポーカーフェイスとか苦手だよな。嘘つけないっつーか、何でも顔に出るっつーか。」
「う…そんなわかりやすいんだ、私…」
当時から、よく琉偉にからかわれてた。
柚の考えてることは何でもわかるよって。
確かに、いつでも琉偉は、私の気持ちをわかってくれてたけれど…
別れた今は、状況が違う。
「琉偉にはあんな可愛い彼女がいるんでしょ。なのに、こうやって私を部屋に入れちゃうのは、どうかと思う。」
天然でお気楽な琉偉に、一言物申す。
すると…
「まあ柚が彼女だったら、俺は他の女は絶対部屋に入れないよ。柚が嫌がるってわかるもん。」
………………やられた。
私、今絶対顔真っ赤!!