ハツコイ
「じゃ、じゃあ麗華さんは平気だっていうの?」
そんなはずないでしょ。
私だったら、知らない間に別の女性を部屋に入れたりしたら、ショックなのに。
すると琉偉は、うーんと伸びをしながら言った。
「それはまあ…いろいろあるんだよ。」
「な、何それ…」
うまくはぐらかされた気がする。
「ま、とにかくタケルと水樹の結婚式、盛大に祝ってやろうな!あと、明日からの新しい仕事、頑張れよ。」
そういって、頭に手をポンと乗せられた。
「あ、うん。ありがと…」
最後には、優しい一面を見せる。
そういう琉偉は、変わらない。
でもね、琉偉…
琉偉は私の考えてることわかるかもしれないけれど…
私は、琉偉の考えてることがさっぱりわからないよ。
昔も、今も。