ハツコイ
翌日。




張り切って出社した私。




エレベーターを待ってると、真希がやって来た。




「おはよう柚奈、いよいよ今日からだね。」




「うん。真希がいないと寂しいよぉー。」




「私もだよー!!」




同期の存在って本当大きくて。




真希がいないオフィスなんて、想像するだけで不安な気持ちになる。




「ま、でもランチとかたまには一緒に行こうね。」




「うん、もちろん!!」




同期の友情を確かめつつ、到着したエレベーターに乗り込む。




閉ボタンを押しかけた、その時。




走ってくる人影に、思わず開ボタンを押したら…




「お、柚。おはよ。」




「琉偉…おはよう。」




まさか、朝から出会うとは。




むしろ、今までなぜ一度も出会わなかったのかってくらい、再会してからの頻度が半端ない。




しかし、琉偉の顔がまともに見れない。




「そっか、柚も今日から7階じゃん。デザイン課ならあーみんがいるから、大丈夫だろ?」




「え、そうなの?」




そういえば、昨日名前を聞いただけで部署まで聞かなかったかも。




「二階会のあーみん想像してると、驚くぞ。職場でのあの人は真逆だからな。」




「そ…なんだ。」




あーみん、めちゃめちゃほんわかした人だったけど、どんな感じなんだろう。




と、そうこうしてるうちに、7階に到着。




「あ、真希。またね。」




「うん、がんばって!」



真希に手を振り、琉偉と一緒に降りた。





まさか、エレベーターの扉が閉まった後…





「…なんで柚奈が、社内トップクラスの人気者の安座間琉偉と知り合い?怪しいわね…」




と、真希に呟かれていたとは知らず。



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