ハツコイ
下りのエレベーターを待っていた時。




後ろから聞き慣れた声、しかも二つ。





琉偉と安原さんだ!!!!!




こんな3ショット、気まず過ぎる。



早くエレベーター来てぇっ!!




必死の祈りが通じたのか、エレベーターが開いて、そそくさと乗り込む。




閉ボタンを連打した時、なんと琉偉が小走りでエレベーターまで来て、開ボタンを押してしまった。




「なんだ、柚じゃん。」




「あ、お疲れ様。」




と、いかにも今気づいた感じで挨拶をした。




「安原さんも、お疲れ様です。」




「倉科。よく会うね。」




安原さんのニッコリスマイル。




いつもなら癒やされるスマイルも、今はこの状況のせいで効果なしだった。




そして、この微妙な3人を乗せたエレベーターの扉が閉まった。




「朝も思ったけど、安座間と倉科は知り合いなの?」



「ええ。高校時代の同級生。柚が昨日俺のマンションの隣の部屋に越してきて、久々に。」



琉偉が喋ってくれるのをいい事に、私は余計なことを言わないようにと黙っていた。



すると…





「倉科って高校の時モテてた?」




安原さんからの、まさかの質問。




しかも、琉偉にする!?




冷や汗が、とめどなく流れる。


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